過去に車を整備した際の作業記録です。
いじったクルマ:スバル インプレッサ ( グレード:WRX_STi_4WD(MT_2.0)、型式:GDB)
作業内容:クランクメタルの故障に伴うエンジン交換
作業時間:27時間(難易度☆☆☆、過酷度☆☆☆☆☆)
クランクメタルが故障したため、エンジンを交換しました。
故障の原因は断言できませんが、右バンクいずれかのコイルがダメで、旋回時に失火していたことのようです。
ディーラーのメカさん曰くそういう修理案件があったとのこと。
確かに当日も左旋回で失火していました。
エンジン下ろしは単純ですが、ボディとつながっている部分をひたすら切っていきます。
写真はインタークーラー、ラジエーター、バッテリーが外れています。
わかりにくくなりそうな配管はガムテープにメモを張っていきます。
写真はフューエルです。
ブローバイ、バキュームブースター、過給圧のバイパス系など。
配管が終わったら、次はパワステ、エアコン、オルタです。
クランクプーリーは外れていますが、タイベル交換編と同様、22mmのソケットとロングスピンナーをあてて、火が飛ばないようにヒューズ(エンジンルームヒューズボックスの、真四角の大きめのもの)を抜いたうえでクランキングさせて、セルの力で緩めます。
はずれたエアコンコンプレッサーとパワステポンプは、それぞれ配管に負担がないように脇によけておきます。ガスが抜けないように注意します。
写真では、エアコンコンデンサーを傷めないように段ボールで養生しています。
手前に見えるエアコンコンプレッサーのステーとなっている、大きめのアルミ部品を今回はワイヤーをひっかける部分にしました。
表ができたら裏側へ移ります。
まず、ピッチングストッパーを外します。エンジンとの脱着結合時にミッションを上下させる必要があるため、ミッションは下ろしません。
次にエンジンスターターを外します。スターターが外れたら、6角の蓋を外して、レリーズフォークのシャフトを抜きます。するとレリーズフォークがベアリングから抜けるので、ミッションを抜く準備ができます。
次はフロントパイプを外します。遮熱板のボルトは絶対こんなにいらないはず!
私はいつも2個止めです。12-14のストレートメガネがあるといいですね。
エンジンミッション結合ボルトを外します。
ドライブシャフトがあるとまっすぐ外すことができませんが、ななめにアプローチできるジョイントソケットがあればできます。というかこの工程には必須ですね。
エンジンマウントのナットも外します。
インタークーラーステーの位置の穴にアイボルトを2本入れて、エアコンコンプレッサーステー、エンジンの結合ボルトの位置、の5か所に牽引ロープのスチールワイヤーをひっかけて釣りました。
牽引ロープのスチールワイヤーはこの用途には長いため、止め点がたくさん必要なとこが難点でした。
エンジンをおろせました。
ここから組上げですが、写真がありません!
外し工程の逆をやるだけですが、それ以外にやったことを挙げます。
①タイベル・ウォーポン・クラッチを旧エンジンから移植
②GDB-AのエキマニについていたO2センサーをGDB-Dのフロントパイプに移植(配線無加工でOK)
③パワステタンクから延びるのスチール配管がGDBFの樹脂インテークと干渉するので、固定位置をずらす(無加工、インテーク固定ボルトを緩めにするだけ)
④運転席側のエアコンコンデンサー配管が冷却水アッパータンクの下にもぐる形でレイアウトされているが、GDBFエンジンには配管のステーがポンづけでないので固定せずにそのまま放置。
⑤左バンクのブローバイ配管がなかったので、GDBAの別配管より流用設置。
あとは、エンジンとミッションの位置を合わせて合体させるのが何より大変です。エンジンの高さを変え、ミッションにジャッキをかけ、車体を動かして、を何度も繰り返して、ど真ん中に双方同じ角度で入るようにします。
この作業のハイライトはその工程とエンジンの運搬でしょう。
エンジン側ハーネスは完全にGDBFを利用しておりますが、ポンづけです。ECUもA型のままですが、チェックランプ等点灯はなく、上まできれいに回ります。スバル車の流用性、すごいですね。
コメント